【DHT抑制成分一覧】AGAの原因を防ぐ!注目のDHTブロッカー成分とは?

【DHT抑制成分一覧】AGAの原因を防ぐ!注目のDHTブロッカー成分とは?

DHT抑制成分のうち、男性のAGA治療で臨床試験の根拠があるのはフィナステリドとデュタステリドです。ノコギリヤシやカボチャ種子油には人での小規模試験がありますが、緑茶カテキンなどの酵素実験とは根拠の段階を分けて読む必要があります。

「DHTブロッカー」という呼び名だけで、配合製品の発毛効果まで判断するのは早計です。人の毛髪数を調べたのか、試験管の中で酵素の働きを調べたのかによって、期待できる範囲が変わります。

この記事ではDHT抑制成分の一覧と、それぞれの根拠の段階や成分表示から判断できる範囲をまとめています。

目次

DHTブロッカーは成分の総称です

DHTブロッカーは、男性ホルモンのテストステロンをDHTへ変える酵素の働きを抑える成分を指す呼び名です。医薬品と植物成分では、効果を支える根拠の量や確かさが異なります。

DHTは男性型脱毛に関わるホルモン

DHTはジヒドロテストステロンの略で、男性型脱毛に関わる男性ホルモンです。AGAは男性型脱毛症を意味し、生え際や頭頂部などで髪が細くなり、地肌が目立つようになる脱毛症を指します。

DHTを作る際に働く5αリダクターゼは、体内の反応を助ける酵素の一種です。この酵素を抑える薬は男性のAGA治療に使われますが、名前に「育毛」とある成分すべてが同じ酵素へ作用するわけではありません。

成分の作用と髪への効果は別の評価

酵素の働きが弱まったという結果と、人の髪が増えたという結果は区別が必要です。前者は成分が持つ性質の手がかりであり、後者は使用した人にどのような変化が起きたかを示します。

また、毛髪数が増えた試験でも、DHTを測定していなければ増加の理由をDHT低下と決める根拠は不足します。髪の変化とホルモンの変化を別々に確かめると、広告の説明が試験結果を超えていないか判断しやすくなるでしょう。

根拠を読むときの3つの軸

根拠を読む際の軸は、調べた対象、測った項目、比較した相手の3つです。成分名に加えてこの情報があれば、人に使ったときの効果を扱う資料か、実験室で性質を調べた資料かを区別できます。

確認する軸見る内容分かる範囲
対象人/細胞/酵素/動物人への適用を直接調べたか
測定項目毛髪数/DHT値/酵素の働き何の変化を確認したか
比較相手偽薬/別の薬/比較なし変化が成分によるものかを判断する材料

試験に参加した人数や期間も、結果の確かさを左右します。短期間の少人数の結果だけでは、長く使った際の変化や幅広い人への当てはまりまで判断しにくくなります。

DHT抑制成分の一覧と根拠の段階

一覧は、医薬品の臨床試験、植物成分の小規模試験、試験管や動物の実験という順で読むと整理できます。成分の知名度や配合数よりも、根拠の欄を先に確認するのが判断の出発点です。

医薬品と植物成分を並べた一覧

以下の一覧では、人の治療効果まで評価された成分と、酵素への作用を調べた段階の成分を分けています。植物成分について人での評価があっても、医薬品と同じ確かさで効果を見込めるかは別の問題です。購入候補を比べる際には、まず自分が知りたいのが「酵素への作用」なのか「薄毛の改善」なのかを決め、その問いに対応する欄を読んでください。

成分名根拠の段階一覧から読み取れる範囲
フィナステリド医薬品・臨床試験男性AGAの治療効果を評価
デュタステリド医薬品・臨床試験男性AGAの治療効果を評価
ノコギリヤシ植物成分・小規模試験改善報告はあるが単独の寄与に限界
カボチャ種子油植物成分・小規模試験男性76人の試験で毛髪数増加の報告
緑茶カテキン(EGCG)成分・試験管酵素阻害は実験条件で異なる
大豆イソフラボンの一部成分・試験管ダイゼインなどの酵素阻害を評価
バイカレインなど成分・試験管ポリフェノールの酵素阻害を評価
γ-リノレン酸など成分・試験管脂肪酸の種類と形で阻害が異なる
ローズマリー葉エキス植物成分・試験管と動物酵素阻害とマウスの毛の再生を評価

同じ段階の根拠を比較するポイント

人で調べた結果にも、比較相手がいる試験と、使用前後だけを見た試験があります。偽薬は有効成分を含まない比較用の製剤で、自然な変化や期待による評価の差を見分けるために使われます。

複数成分が入った製品の試験は、製品全体の評価として読む必要があります。成分の1つに注目したい場合でも、試験結果からその成分だけの働きを取り出せるとは限らないためです。

配合数よりも製品としての評価を確認

複数の成分が配合されていても、根拠の弱さを配合数で補えるわけではありません。酵素実験のある成分をいくつ集めても、その製品を使った人の毛髪数が調べられた結果とは別の情報です。

気になる成分を見つけたら、まず一覧のどの段階に当たるかを確認しましょう。次に、説明されている効果がその段階で言える範囲に収まっているかを読むと、成分名だけに引かれた判断を避けやすくなります。

医薬品のDHT抑制効果と治療上の位置付け

男性のAGAに対するフィナステリドとデュタステリドの内服には、人で治療効果を調べた根拠があります。治療に使う際は、医師の診察と処方のもとで選ぶ薬です。

フィナステリドとデュタステリドの治療上の扱い

日本皮膚科学会の診療ガイドラインは、脱毛症の治療を根拠に基づいて選ぶための指針です。その2017年版では、男性のAGAにフィナステリドとデュタステリドの内服を第一選択として推奨しています。

第一選択は、治療を始める際に候補となる推奨を表す言葉です。誰でも同じ薬を選ぶという意味ではなく、薄毛の状態や体調を踏まえて適した治療を相談する前提があります。

フィナステリドの評価は、酵素への作用に加えて、人の頭皮のDHT低下と毛の改善に及びます。治療を考える際に重要なのは、成分が酵素を抑える性質だけでなく、実際に服用した人の髪にも変化があるかという点です。

24週の毛髪数ではデュタステリドが上回る解析

24週の総毛髪数の増加では、デュタステリド0.5mg/日がフィナステリド1mg/日を統計的に有意に上回ったという解析があります。統計的に有意とは、その差を偶然だけでは説明しにくいと判断されたという意味です。

ただし、この結果は直接比べた試験だけでなく、別々の試験を通じた間接的な比較も含みます。複数の治療をまとめて比較するネットワークメタ解析の結果であり、1人ひとりの増毛量を約束する数値とは異なります。

比較で分かる点今回の結果判断に含まれない点
評価した時期と項目24週の総毛髪数の増加あらゆる期間の見た目の変化
薬同士の差デュタステリド0.5mg/日が上回る各人に同じ差が出る保証
解析の対象医薬品の効果植物成分との優劣や副作用の比較

効果の順位だけでは処方を決められない

薬の選択には、毛髪数の増加に加えて安全性の検討が必要です。内服のDHT抑制薬には性欲の低下や勃起機能の変化など、性機能に関わる副作用が報告されています。

薄毛を改善したい気持ちと薬への不安が重なると、効果の数字だけで決めにくいものです。服用中に気になる性機能の変化があれば処方医へ相談してください。効果への期待と体への影響を同じ診察で確認できます。

植物成分の人での報告は小規模試験が中心

ノコギリヤシとカボチャ種子油には、人の髪の変化を調べた報告があります。いずれも医薬品と同等のDHT低下や治療効果を示す根拠として扱うには限界があります。

ノコギリヤシは単独の寄与が分かりにくい

ノコギリヤシを含む製品で評価されているのは、毛の質や毛髪数の変化です。人の髪を評価している点では酵素実験から一歩進んでいます。ただし、改善の確かさを判断できる質の高いデータは乏しく、成分名だけで治療効果を見込むには慎重な読み取りが必要です。

多くの試験で複数成分を含む製品が使われているため、改善をノコギリヤシだけの効果と読むのは不適切です。試験結果の紹介に成分名だけが大きく書かれていても、評価対象が単独成分か製品全体かを分けて読む必要があります。

カボチャ種子油は男性76人の試験で評価

カボチャ種子油は、軽度から中等度のAGAがある男性76人を対象にした24週間の試験で、毛髪数の増加が報告されました。参加者と評価者の両方が割り当てを知らない二重盲検という方法で、偽薬と比較されています。

カボチャ種子油による毛髪数の変化と、DHT低下の有無は分けて考えます。この評価は1施設の少人数に限られ、DHT値は未測定です。

年齢や薄毛の程度が違う人にも同じ変化が起きるか、24週を超えてどう推移するかという疑問は、この結果だけでは解消できないまま残ります。髪の変化の理由をDHT低下と断定することも避けてください。

人の試験がある植物成分の読み分け

2つの成分は、どちらも改善報告がある一方で、結果を一般化できる範囲が限られます。判断に使いたいのは、成分名に付いた「天然」という印象よりも試験の対象と限界です。

成分人での報告残る限界
ノコギリヤシ毛の質や毛髪数の改善複数成分の製品が多く単独の寄与が不明確
カボチャ種子油24週の毛髪数増加小規模・単施設でDHTは未測定

特定の試験で使われた製品と、同じ成分名を表示する別の製品は分けて扱う必要があります。抽出物の内容や配合条件が異なる製品にまで、同じ改善を期待できるとする判断は根拠を超えています。

試験管の結果は人の発毛に結び付く?

試験管で酵素を抑えた結果だけで、人の発毛効果を結論付けるのは不適切です。人に使った場合の頭皮のDHTや毛髪数を調べる試験があって初めて、実際の効果を直接評価できます。

緑茶カテキンとポリフェノールは酵素実験の段階

ポリフェノールは植物に含まれる成分群で、緑茶のカテキンや大豆イソフラボンも含まれます。緑茶カテキンの一種であるEGCGやバイカレインなどの5αリダクターゼへの作用は、試験管の条件に限った評価です。飲食物として摂る場合や頭皮に塗る場合の効果へ読み替えるには、それぞれの使い方での確認が必要になります。

EGCGは細胞を使わない条件では阻害が見られた一方で、細胞を使う条件では同じ働きが見られませんでした。同じ成分でも実験条件で結果が変わるため、酵素への作用をそのまま人の頭皮へ当てはめるのは無理があります。

大豆イソフラボンに含まれるダイゼインやゲニステインも、酵素実験の対象となった成分です。いずれも、この実験から人が使用した際のDHT低下や髪の改善までは判断できない段階にあります。

γ-リノレン酸は脂肪酸の形でも結果が変わる

γ-リノレン酸は不飽和脂肪酸という脂肪の成分の一種です。試験管内での酵素への作用は、DHAやα-リノレン酸などと一律ではなく、脂肪酸の種類によって強さが異なります。「不飽和脂肪酸を含む」という共通点だけで、どの油にも同じDHT抑制作用を期待するのは根拠を広げすぎた解釈です。

さらに、脂肪酸がどのような形で存在するかによっても実験結果は変わります。特定の形で確認された作用を、油全体やそれを含む製品の作用と同じに扱うのは不適切です。

人の頭皮のDHT低下を調べた結果ではないため、成分の性質を示す基礎的な根拠として読む範囲にとどまります。

動物での毛の再生も人での確認とは別

ローズマリー葉エキスの評価範囲は、試験管での酵素阻害とマウスの毛の再生です。人のAGAで同じ変化が起きるかは、別に確かめる必要があります。動物の毛の再生を扱う評価と、人が長期間使って薄毛の改善を判断する評価では、対象も使用条件も違うためです。

「動物で発毛」という説明では、どの条件の動物を用いたのかも結果の意味に関わります。人の頭皮を調べていない報告から、ローズマリー配合製品を使えば薄毛が改善すると結論付ける根拠は不足しています。

成分表示から判断できる範囲を確かめましょう

表示を読む際は、成分名と製品の区分、実際に評価された対象を分けて確認すると判断しやすくなります。配合されている事実と、その製品でDHTが下がるという根拠は別の情報です。

医薬品・医薬部外品・化粧品の表示の違い

一般に医薬品は、承認された効能・効果に沿って使う製品です。医薬部外品は認められた範囲の効能を表示し、化粧品は清浄や保湿などの範囲で髪や頭皮を整える製品として扱われます。

医薬部外品に育毛などの効能表示があっても、それだけで配合成分すべてにDHT抑制作用が認められた意味にはなりません。製品の表示上の区分と、個別成分の酵素実験の説明を混ぜずに読むのが大切です。

研究した成分と配合製品の一致

成分単体と植物エキスでは、評価する中身が異なります。前者は特定の物質、後者は複数の物質を含む抽出物として区別してください。エキスに含まれる1物質への評価を、エキス全体の評価として読むと、実際に確かめられた範囲が曖昧になります。

たとえば、バイカレインという物質の酵素実験と、植物エキス配合製品を人に使う評価では、調べている対象が違います。成分名の一致だけでなく、実験に使ったものと手元の製品がどの範囲で一致するかが読み取りの焦点です。

配合量や抽出物の内容が分からなければ、同じ条件と判断する材料が不足します。さらに、内服した製品の結果を塗布する製品へ当てはめるなど、使用方法の違いを飛び越えた説明にも注意が必要です。

説明が根拠を超えているときの判断

「DHTを抑える」という説明に毛髪数のデータが添えられていても、ホルモンを測定したかどうかは別途確認が必要です。反対に、DHTや酵素のデータだけでは、見た目の薄毛が改善したとまでは言えない段階にとどまります。

資料に測定項目や対象が書かれていない場合は、効果の確かさを判断する情報が不足しており、説明が強いほど、何を測ってその説明に至ったのかへ戻って読むと、研究結果と期待の境界を保ちやすくなります。確認する資料が見つからなければ、販売元に試験の出典と対象製品名、測定項目を問い合わせると、説明と研究結果を照合する手がかりになります。

成分一覧は、気になる名前の根拠を整理するために使えます。生え際や頭頂部の薄毛が進んでいる場合は、配合成分だけで治療を決めず、AGAに当たる状態か診察で確認してください。

よくある質問

DHTブロッカーと書かれていれば医薬品ですか?

医薬品とは限らず、製品の区分を確認する必要があります。DHTブロッカーは成分の働きに着目した呼び名であり、承認された医薬品かどうかを表す名称とは異なります。

医薬品でない製品に酵素実験の説明があっても、AGA治療薬と同じ効能が認められたという意味にはなりません。表示された効能と、成分について紹介されている研究結果を分けて読みましょう。

カボチャ種子油の試験でDHT低下も確認されていますか?

紹介した男性76人の試験では、DHT値は測定されていません。毛髪数の増加は報告されていますが、DHT低下によって増えたと確定するためのデータとは区別が必要です。

毛髪数の比較で上回るデュタステリドを選ぶべきですか?

比較結果だけで薬を選ぶのは適切ではありません。24週の総毛髪数で上回るという解析はありますが、その解析は副作用まで比べた総合的な優劣を示すものとは異なります。

医師の診察で薄毛の状態を確認したうえで、期待する効果と体への影響を相談して薬を選んでください。服用中に性機能の変化が気になる場合も、処方医への相談が必要です。

試験管で作用した成分を含む製品は、髪にも効くと判断できますか?

配合されている事実だけで髪への効果を判断するのは早計です。酵素実験は成分の性質を示しますが、人がその製品を使った際のDHTや毛髪数の変化を直接調べたものとは異なります。

製品の説明に人の試験がある場合は、何を測定した試験かを確認しましょう。毛髪数、頭皮のDHT、使用感は、それぞれ別の評価項目です。

たとえば使い心地への満足度が示されていても、それを毛髪数の増加として読むのは不適切です。人の毛髪を評価した情報がなければ、発毛効果まで確認された製品として受け取る根拠は不足しています。

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この記事を書いた人

大木沙織のアバター 大木沙織 医療法人緑生会 大木皮ふ科クリニック副院長

名前:大木 沙織
大木皮ふ科クリニック 副院長
皮膚科医/内科専門医/公認心理師
略歴:順天堂大学医学部を卒業後に済生会川口総合病院、三井記念病院で研修。国際医療福祉大学病院を経て大木皮ふ科クリニック副院長へ就任。

所属:日本内科学会

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